
社会福祉法人 足羽福祉会
導入事例
採用管理システム採用一括かんりくん


社会福祉法人足羽福祉会 丹代 様(採用担当)
福井県を中心に、高齢・障がい・児童の三部門で総合福祉サービスを展開する社会福祉法人足羽福祉会。500名を超える職員を擁し、22の事業所、38種類もの多種多様なサービスを展開する同法人は、「共に生きている。それがふつうの世の中に。」というビジョンを掲げ、地域の福祉インフラを支え続けています。
しかし、そのビジョンの裏側で、採用活動は長らく担当者の「孤独な奮闘」と「物理的な限界」との戦いでした。 「便利だと思って導入したツールが、逆に自分を苦しめる」。そんなデジタル化のジレンマをどう乗り越え、システム導入の先にどのような「社会変革」の未来を描いているのか。採用担当の丹代様にお話を伺いました。
私たちは創業から58年間、福井の地で「生きづらさ」を抱える方々に寄り添うサービスを展開してきました。 「生きづらさ」というと、障がいや病気といった特定の事象を思い浮かべるかもしれませんが、私たちはもっと広く捉えています。例えば、人混みが苦手だったり、コミュニケーションに不安があったり。誰しもが持っている小さな悩みが大きくなり、社会生活に馴染めなくなった方々が私たちのサービスの対象者です。
赤ちゃんからお年寄りまで、その人のライフスタイルに合わせて、「働きたい」「自立したい」「穏やかに暮らしたい」等のニーズに応える。誰一人取り残さないサービスの提供をできる存在が足羽福祉会であり、存在意義です。
私たちが目指しているのは、単に施設の中でケアを完結させることではありません。、多種多様な生きづらさを抱えた人たちが、当たり前に地域で混ざり合い、助け合える社会をつくること。それが足羽福祉会のビジョンであり、採用活動においても、このビジョンに共感してくれる仲間を求めています。
最大の課題は、「候補者一人ひとりと向き合うための時間」が、煩雑な管理業務によって少なくなっていたことです。 私は本来、求職者の方に対し、最低でも3ヶ月の間に5回は連絡をとり、不安の解消やフォローを行いたいと考えていました。
しかし現実は、日々の業務に忙殺され、2回連絡するのが精一杯です。 頭の中には「もっとこうしてあげたい」という理想があるのに、手元の作業に時間を奪われてそれができないことも多々あり、「本来やるべき戦略業務があるのに、作業に忙殺されている」というジレンマを感じていました。
実は、この状況を打破するために、以前から「LINE特化型の採用ツール」を導入していました。
今の学生さんや若い求職者の方にとって、メールはハードルが高く、LINEであれば気軽に連絡が取れ、レスポンスも早くなる可能性を感じており、実際にその「つながる力」は確かに効果的でした。
しかし、運用を進めるうちに新たな壁にぶつかりました。それが、ツールとExcelによる「管理のダブルスタンダード(二重管理)」です。
連絡手段としてはLINEツールを使い、詳細な進捗管理や個人情報はExcelで行い、「情報の分断」が起きていました。
LINEで良いやり取りができても、その記録をExcelに手動で転記しなければ社内に共有できません。逆に、Excelの情報が更新されてもツール側には自動反映されません。
結局、デジタルツールを入れたはずなのに、私のアナログな作業負担は減るどころか、確認作業が増えてしまっていました。
さらに、以前のツールには「柔軟性」が不足していました。
具体的には、「選考フローに乗った人」の管理に特化していたため、インターンシップやオープンカンパニーに参加してくれた「まだ応募には至っていないが、興味を持ってくれた層」をシステム上でうまく管理できなかったのです。
福祉業界の人材不足は深刻で、専門学校の学生数も減り、県外流出も多くなっています。
そんな中、「今すぐ応募」ではなくても、将来の仲間になるかもしれない候補者をいかに育て、つなぎ止めるかが生命線になります。
それなのに、以前の環境では彼らをExcelや管理不足で埋もれさせてしまっていました。
「未来の仲間になるかもしれない方々を、仕組みの不備でみすみす逃しているのではないか?」。この機会損失に焦りを感じていました。
また、こうした複雑な運用は「情報の属人化」も招いていました。
採用担当は実質私一人で行っていたため、私が休みの日に候補者から急な連絡があっても、他の職員はExcelのどこを見ればいいかわかりませんでした。
「担当者が戻るまでお待ちください」という対応は、候補者の熱量を下げてしまいますし、何より組織として不誠実です。
「私しかわからない」状態から脱却し、組織全体で候補者を迎え入れる体制を作りたい。そのためには、LINEの利便性と、確実なデータベース機能を両立できるシステムへの移行が不可欠でした。
「直感的にわかるインターフェース」と「潜在層までカバーできる柔軟性」、そして「コストパフォーマンス」のバランスです。
採用一括かんりくんは候補者のステータスが色分けされたアイコンで表示され、誰がどの段階にいるのかがひと目でわかります。これなら、私以外の職員が見てもすぐに状況を理解でき、チームで採用に取り組めると感じました。
また、導入支援の手厚さも大きな決め手でした。 正直、システム移行には膨大なタスクが伴います。「またあの設定作業をやるのか」と気が重くなっていたのですが、担当の方がスプレッドシートで「導入までのロードマップ」を用意してくださいます。
「今回はここまでやりましょう」「次はこれです」と伴走していただき、気づけば予定通りに運用が始まっていました。
また、初期段階で豊富なテンプレート例を用意していただいたのも地味ながら本当に助かりました。システムという無機質なものを導入するプロセスにおいて、こうした「人」を感じるサポートがあったことは、非常に大きな安心感につながりました。
最も劇的だったのは、長年の課題だった「二重管理」から完全に解放されたことです。 以前はLINEツールとExcelを行ったり来たりしていましたが、今は『かんりくん』を見れば全てがわかります。LINEも、メールも、電話の履歴も、すべて一つの画面に集約されている。「ここさえ見れば大丈夫」という情報の拠り所ができた安心感は計り知れません。
オペレーションも劇的に変わりました。 例えば、ハローワーク経由で履歴書が届いたとします。以前のアナログ管理であれば、メールアドレスを目視で確認してOutlookに入力し、間違いがないか震えながら送信ボタンを押し、その後「迷惑メールに入っていませんか?」と電話で確認する……という不毛な時間を使っていました。 しかし今は、履歴書が届いた瞬間にシステムに情報を登録し、テンプレートを選んで送信するだけで完了します。
改めてですが、以前のツールでは”選考前の母集団”への連絡は難しかったところ、採用一括かんりくんでは「今すぐ応募」ではなくても、選考中の候補者だけでなく、インターンシップ参加者などの“選考手前の層”までLINEでアプローチできるようになりました。
さらに、対象者を条件で切り分けて一斉送信したり、個々の状況に合わせて案内を出し分けたりと、「誰に、いつ、何を届けるか」を整理した運用が可能になりました。LINEでのコミュニケーションと管理を一箇所に集約できたことで、情報が散らばっていた頃と比べて、タイミングを逃さず密なコミュニケーションが取りやすくなったと感じています。
ツールはあくまで黒子ですが、採用一括かんりくんのおかげで、私は「候補者」に向き合うという本来の仕事に集中できています。
私たちの究極の目標は、単に採用人数を満たすことではなく、「採用活動」を通じて「社会を変えること」です。
少子高齢化が進む地方において、福祉職を志望する「専門人材」だけを待っていては、いずれ限界が来ます。だからこそ私たちは、これまで福祉に興味がなかった層、いわゆる「専門外」の方々に対しても積極的にアプローチし、接点を持とうとしています。
例えば、私たちが主催するマラソン大会のボランティア活動があります。そこでは、障がいのある方と一緒に走るという体験を提供しています。 参加した高校生たちは、最初は不安そうですが、実際に一緒に走ってみると、価値観がガラリと変わったというお声もいただきます。
障がいのあるランナーの中には、ゴールへの想いが強すぎて、ペース配分ができずに全力疾走してしまう方がいます。何も知らないと「怖い」と感じてしまうかもしれないですが、「真っ直ぐなだけ」と理解すると、「隣でペースを調整すれば、一緒にゴールできる」ことを知ります。
この「気づき」こそが重要です。 「知らないから怖い」が「知っているから対応できる」に変わります。そうした体験をした人が一人でも増えれば、街中で困っているお年寄りを見かけた時に、自然と手を差し伸べられる社会になるはずです。
『かんりくん』のおかげで、私たちは今、より多くの候補者と密にコミュニケーションが取れるようになりました。このつながりを大切に育て、「福祉って意外と身近で、面白い」と感じてくれる仲間を一人でも多く増やしたいと考えています。
採用活動は、単なる欠員補充ではなく、誰もが互いの生きづらさを補い合える、そんな優しい社会をつくるための「仲間集め」だと捉えています。 システムという強力な武器を手に、私たちはこれからも、福井の地から「ふつうの世の中」に向けた挑戦を続けていきます。
